2013年8月20日火曜日

エジプトの地政学

いきなりですが、小池百合子氏のエジプトに関するツイートを引用します。

















小池百合子氏はエジプトのカイロ大学を首席で卒業しています。
ということもあって、かなり詳しいかと思われます。
ここに出てくる「エジプトの地政学的価値」というのがよくわからなかったので、少しググってみました。

市場関連のニュースで「エジプトの地政学的リスク」が取り上げられています。
エジプト情勢の混迷を受けた地政学的リスクの高まりから買われ、
5営業日続伸した。エジプトでは14日、治安部隊がモルシ前大統領支持派に対して座り
込みの強制排除作戦を展開。これに反発した騒乱は国全土に拡大し、500人以上の死者
が出る事態となった。このため、情勢の混乱がスエズ運河や近隣産油国に波及する可能性
が懸念され、原油相場は上昇した。
NY市場サマリー(15日)
スエズ運河と周辺に産油国がある、というのが市場的にはリスクに映るようです。

ではスエズ運河はなにかというと、これは教科書にも出てきましたのでなんとなく知っています。
紅海と地中海を結ぶ運河で、人工の運河です。
これがないと、中東からヨーロッパに原油や天然ガスを運ぶにはアフリカ大陸をぐるっと周るか、陸路という事になります。

Wikipediaによると、
1995年までに、ヨーロッパで消費された石油の3分の2はスエズ運河を経由した
そうです。
ロンドン‐横浜間を例に取ると、アフリカ回航では14,500海里(26,900キロ・メートル)かかるところを、スエズ運河を通れば距離は11,000海里(20,400キロ・メートル)となり、24パーセントの短縮となる
そうです。
横浜-ロンドン間なら24パーセント程度で済みますが、中東の産油国からヨーロッパの航路なら影響はかなり大きいでしょう。

小池百合子氏が「エジプトの一番の産業は外交」というのは、このスエズ運河だけではないようです。
スエズ運河は通行料を支払うことで通行ができますし、(軍艦を除けば)通行料はどの国であっても同じだそうです。
外交的な駆け引きでスエズ運河を通れたり、そうじゃなかったり、ということは無いようなので。

例えばアメリカはエジプトに大して年間15億ドルとも20億ドルとも言われる支援を行っているそうです。
アメリカの支援のおかげでエジプトは軍事大国でもあります。
では、なぜアメリカはエジプトを支援しているのでしょうか?

一つはアメリカのエジプトに対する支援というのは、軍関連の物資が多いようで、それはアメリカの軍事産業に税金を投入しているようなもで、日本なら道路や箱物の公共事業みたいなものでしょうか。
もう一つは中東への影響力を維持したい、というのがあるようです。

この中東への影響力はロシアや中国も狙っているようです。
中国はアフリカへの影響力を強めているので、スエズ運河を通れるようになると色々捗るのかもしれません。
ロシアの方は地中海に軍艦を寄港できるので、あとはスエズ運河を通るだけ、という事でしょうか。

もうちょっと色々な事が複雑になっているような気がしますが、よくわかりませんでした。
エジプトだけでなくイスラエルやトルコなども含め、ネットだけでなく、少し本でも読んで勉強しておきたいところです。




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