2014年10月27日月曜日

士農工商と歴史修正主義者

江戸時代の士農工商とは身分制度ではなかったそうです。

近代以降には「士農工商」が近世の身分制とその支配・上下関係を表す用語として認識されるようになった。しかし、1990年代になると近世史の研究が進み、士農工商という身分制度や上下関係は存在しないことが実証的研究から明らかとなり、2000年代には「士農工商」の記述は教科書から外されるようになった。これに関係して、「四民平等」も本来の意味(すべての民は平等)ではなく、「士農工商の身分制からの解放」という認識を前提に用いられたものであったため、教科書から消された。 ただ、昭和時代の教育を受けた人を中心に未だ士農工商は身分制として認識されていることがある。
士農工商

昭和の人間なので、そんな事全然知りませんでした。
教科書に載っていたからといって、それが絶対ではありません。
特に歴史では、その後でよく調べたら間違っていた、従来とは認識が違う、ということはあるべきでしょう。
士農工商が身分制度である、というような解釈はどこからきたのか、Wikipediaにはこう書いてあります。

第二次世界大戦後はマルクス主義的な歴史認識により、武士を支配階級、農民を被支配階級と定義し、農民生活の悲惨さとそれに由来する階級闘争の存在が強調され、商人は財産(資本)を蓄積したブルジョワ階級であり、近代への幕を開く歴史的存在として捉えられるようになった。
士農工商

この認識が正しいのかわかりませんが、さもありなんという印象は受けます。
マルクス主義者により、差別として生まれ変わったようです。
ちなみに、士農工商は放送禁止用語だそうで、テレビを見ていては昭和時代の間違った認識を改めることは期待できません。

士農工商について検索すると、戦後天皇制維持のために作られた虚構だった、とか、学校でのいじめに使われるため教科書で扱わなくなった、とか色々な説があります。

新しく発見された史料などを基に、それまでの歴史認識を改める行為を歴史学では歴史修正主義と呼ぶそうです。
一方で最近よく使われる歴史修正主義は逆の意味です。

またWikipediaですが、このように書かれています。
・新しく発見された史料や、既存情報の再解釈により、歴史を叙述し直すことを主眼とした試みのこと。(歴史学における用法)
・従来の歴史観と違う歴史観を主張する者に対して「客観的な歴史学の成果を無視し、自らに都合の良い過去は誇張や捏造したり、都合の悪い過去は過小評価や抹消したりして、自らのイデオロギーに従うように過去に関する記述を修正するものである」として批判する場合に用いられる言葉[1]。(通俗的な用法)
歴史修正主義
最近、「歴史修正主義者め!」と言う人達がいます。
士農工商に当てはめると、どういう意味で使っているのでしょうか?
身分制度だったとするマルクス主義者でしょうか?
史料に基づいた新しい歴史認識でしょうか?

天皇制と部落差別 権力と穢れ
上杉 聰
解放出版社
売り上げランキング: 193,364

2014年10月13日月曜日

LINEで韓国の事を書くと起訴されるかもしれないよ、という話

カカオトークというアプリが韓国内で話題のようです。
カカオトークは日本でいえばLINEくらい普及しているメッセージアプリだそうで、メッセージの内容を検閲されているのではないか?という見方が広がっているんだとか。
騒動を収束させるため、カカオトークの代表が謝罪しています。

韓国製の無料通信アプリ「カカオトーク」の運営会社「ダウムカカオ」が、捜査当局の求めに応じてユーザーの会話内容を提供した問題で、同社の李碩祐(イ・ソクウ)代表は13日、ソウル市内のプレスセンターで記者会見を行い、安易な認識と未熟な対応により、利用者に不安と混乱を与え、申し訳ないと謝罪した。
 李代表は「セキュリティーを徹底し、関連法の制度に従うことだけで、利用者のプライバシーを保護していると満足していた」とした上で、「カカオトークを大切に思ってくれている利用者の不安に早く気づくことができず、このような状況にまでなってしまったことを心より反省する」と述べた。
 韓国では、検察当局がインターネット上での名誉毀損(きそん)に対する監視強化の方針を決めたことを受け、他国のアプリに乗り換える利用者が増加している。
捜査機関への通信内容提供「今後は応じず」 カカオ代表が謝罪

なんで謝罪したのかというと、メッセージの内容は第三者に漏らさないと思われていた、思い込んでいた?利用者が、そうではないと知ったからです。

ダウムカカオ社のCEO(最高経営責任者)は、「検察が呼べば行かないわけにはいかない」「どんなサービスも国の正当な法の執行の下にある」などと、およそ期待外れの対応をした。
大統領発言を引き金に韓国から亡命する人々が急増中

カカオトークの運営会社は八日、プライバシー機能の強化を発表。これまで裁判所の令状に基づく捜査機関への協力を認めていなかったが、一転して昨年は八十六件、今年上半期には六十一件の要請を受けたことを認め、混乱を引き起こしたことを謝罪した。
韓国「サイバー亡命」続出 監視強化 独のアプリに乗り換え

カカオトークから海外のアプリに乗り換えたそうです。
これを韓国ではサイバー亡命と呼ぶそうですが、ネチズンという気持ち悪い名前が好きな韓国っぽいです。

カカオトークが2646万3021人から2605万7155人に、Lineは、239万2766人から132万2065人に減った。
カカオトークよりもLINEユーザーの方が乗り換えたアカウント数も割合も多いのは、LINEの方がやばいからでしょうか。

先月末、カカオトーク検閲論争が起きて1週間で一日平均利用者数は2646万3021人から2605万7155人へと40万5866人減った。同じ期間にテレグラムは50万人ほどユーザーが増えた。
サービス開始後4年間、対話内容をサーバーに5~7日単位でそのまま貯蔵しておき、令状さえあれば捜査当局がサーバーに保存された内容をのぞき見ることができるという点が知らされてだ。
検閲恐れてカカオトーク脱出…ユーザー1週間で40万人減少=韓国

カカオトークなどのメッセンジャーやSNSに対する捜査機関の検閲、および私生活侵害論争に関連して、野党議員全員が憂慮を示した。国会法制司法委員会所属の野党議員は、8日、ソウル高裁など12の裁判所に対する国政監査で、カカオトークなどへの捜査機関の通信盗聴は、さらに厳格にされるべきだと指摘した。
「カカオトーク検閲」、全野党が憂慮を示す

この騒動の発端は何かというと産経新聞の元ソウル支局長が起訴されたことがきっかけです。
大統領を侮辱するとは何事か!ということで告訴されましたが、それって誰に対しても起こりえるよね?って事です。
ちなみに、LINEは韓国の法律で裁かれると規約にあるので、LINEで韓国の大統領を侮辱すると同じように起訴されるかもしれません。

今回の産経新聞の記事の告訴の面白いところは、産経新聞の記事を韓国語に翻訳したサイトも市民団体に告発されているのですが、起訴されていません。
なんでも、どこのどいつなのかわからないから起訴できない、というのが理由のようです。
産経新聞の記事は、産経新聞自体は韓国語でもないし、韓国に本社があるわけでもないし起訴されたということは、やっぱりLINEで韓国の大統領について言及したら告発され起訴されるかもしれません。
LINEは韓国の法律に基づくと規約にあるますが、産経新聞はそうじゃないことを考えると、LINEじゃなくても起訴されるかもしれませんね。