2013年1月15日火曜日

ロシアは辺境のシベリアで中国とどう接するのか

naverまとめで
中国への牽制で北方領土返還交渉が動き出す?
というまとめを作りました。

ロシアに特使として派遣される森元総理が民放テレビ番組で、個人的な意見として4島返還ではなく3島返還を目指すべきだろう、というような発言をしたことがきっかけでまとめを作りました。

現実問題として4島返還というのはなかなか難しいこともあり、3島返還は国民の反応を伺う観測気球的な発言かもしれません。
あくまで4島返還にこだわるべきかもしれませんが、ある程度のところで一度手を打つことは悪いことではないと思います。
3島か4島かはともかく、まとめを作るためにネットを検索していたらロシアはシベリア、極東に対してかなりあせりがあるような印象を受けました。

あせる原因は、一つは中国。
国境を接する中国からシベリアに入っている中国人は不法滞在を合わせると既に1000万人と言われているそうです。
シベリアは過酷な自然環境でもあり、ロシアの過疎地であり、ソ連時代はシベリア赴任には高給で待遇するなどの政策で極東を維持してきましたが、ロシアになってからはどんどん人口は減っているそうです。
一方で国境の向こう、中国は人が多い!
国境を接する省だけで3億人以上だとか。
ダラダラとシベリアに中国人が入ってくることに危機感を持っているようで、そういった発言があります。

おいで極東、生活保障します 人口増へ、ロシア優遇政策
なんてニュースもありました。
在外ロシア人が極東地域へ移住した際は、生活保障をするという内容。
人口で圧倒的な中国への警戒を強めていると見れるでしょう。

もう一つのあせる原因は天然ガス。
アメリカで実用化されたシェールガスの採掘が世界ではじまると、天然ガスの価格を維持できなくなると予想されています。
ロシア産の天然ガスの大口顧客はヨーロッパと日本ですが、ヨーロッパではシェールガスを採掘できる可能性が高く、ヨーロッパへの輸出量が減る可能性が高い。
資源国のロシアで、稼ぎ頭の天然ガスの価格が維持できない、需要も減ることに相当なあせりはあるようです。

一方、天然ガスに関しては日本では脱原発の動きが続くうちは需要は高いままでしょう。
日本の天然ガス需要が高いうちに、シェールガスで価格破壊が起こらないうちに、パイプラインを完成させ、シベリアの天然ガスを供給する契約をとりつけたい、というのがロシアの本音でしょう。

北方領土返還と引換に、パイプライン建設を前倒しにし、さらには日本と長期の契約を交わしたいと考えているのではないでしょうか?
日本としては原発に代わるエネルギーの問題がありますので、悪い話ではないかもしれません。
ただ、アメリカは現在輸出していないシェールガスに輸出前向きとされていますので、単純に日本とロシアの利害関係ではまとまらないのでしょうね。