2013年4月29日月曜日

ネトウヨが生まれた理由

前政権を担った政党であるにも関わらず、民主党の支持率は低く、夏の参院選は苦戦することが予想されています。
改選組は民主党から離党し、他の政党や無所属で出馬する動きも起きましたし、これからも起きるでしょう。
去年末まで政権政党であった民主党がここまで苦戦する理由は何かと考えると、まず第一に政権を担っていた時の政治に不満が多い。
これは間違いないでしょう。
私はこれと同じくらいに、現在でも民主党を支持する人への反発として民主党不支持があるのではないかと思います。

前提として、民主党が大勝した前々回の衆院選で民主党に票を投じた人の多くは無党派層とゆるく自民党を支持していた層ではないかと思われます。
旧社会党支持者や労働組合など、強く民主党を支持している基盤ではとうてい政権政党にならなかったことは、現在の政権支持率から予想できます。
積極的に民主党を支持するわけではなく、消去法で民主党を支持した人たちが民主党にすっかり愛想を尽かした、これが現状でしょう。

では愛想を尽かした理由が政策であったかというと、必ずしもそうではないでしょう。
有権者一人ひとりが政策を論じるような政治学者でもなければ、ジャーナリストでもありません。
市井の人々は様々な感心事があり悩み事があります。
人はパンのみにて生くるにあらず、です。

政局優先や党内のゴタゴタは支持を失うにはゴシップ的でもあり支持を失うには十分な理由です。
残念ながら、当事者には自覚がないようですが。
しかし、それだけでは現在の政党支持率を説明するには不十分でしょう。

私が感じるのは、現在でも支持しているような強い民主党支持者が嫌われていて、その反発が民主党の不支持に繋がっているではないか、ということ。
具体的に民主党支持者のどういった所が嫌われているのかといいますと、一つは支持者が民主党を理解できないのは「知識が足りないから」、というような内容の発言したり書き込んだりする事。
ネトウヨとレッテルを貼り、レイシストと非難する一方で、自分たちはエリートかのような上からのようなものの言い方。
挙げ句の果てには、頭が悪いから理解していないという批判や、底辺だから妬んでネトウヨになるというような断定。
何がレイシストなのかわかりません。

次に、それでも民主党を支持するという不信感。
消去法で民主党を支持し、政権交代を実現した有権者は民主党に対して思っていたのと違うという実感があると思います。
しかし、それでも民主党を支持する人たちがいる。
この違和感というのは相当なものだと思います。
逆に言えば、政権交代は一体感があったから実現できたのだと思います。
その一体感が崩れた時、それでも民主党を支持する層は自分たちと違うという違和感だけが残った。
そして、その違和感がどこからくるものなのか暴かれた。

現在でも民主党を支持する人たちが色々間違った結果、現在の民主党支持率に繋がっている。
「トリモロス!」とか、人を馬鹿にすることばかりやってきた。
それが現在の結果につながった。
民主党支持者は人を馬鹿にし、はなから否定するような方法ではなく、なぜ民主党を支持するのか、消去法で支持する理由をわかりやすく示すベキでしょう。

2013年4月27日土曜日

消費税還元セール禁止を批判するのは誰か

消費税還元セール禁止法案というのがあります。
来年、2014年4月に消費税が5%から8%に上がることをうけ、消費者が負担することになる3%ないし8%を安くするセールのやり方を規制するという法案。

「消費税」の言葉を使わない表示は「全体状況から消費税を意味するのが明らかでないと禁止表示にはならない」と述べた。増税分に相当する「3%値下げ」や「春の生活応援セール」などの表示も消費税との関係が明確でなければ認める立場を示した。
消費者庁の菅久修一審議官は24日、衆院経産委員会で「消費税という文言を用いない場合も、消費税に関連した安売りと認識されるものは禁止する」と答弁し、野党や小売業界から批判が出ていた。
消費税還元セール巡る混乱、麻生財務相が火消しに躍起

消費税増税に時期をあわせてセールを行うこと自体を禁止するのではなく、「消費税還元」と銘打ってセールを行うことを禁じる、というものになりそうです。

消費税増税に関しては3%から5%に増税される時に卸、下請けに対する「買い叩き」が起こり、それを防ぐための方法として、この法案が出来たそうです。
どちらかと言うと便乗値上げばかりが報道された印象がありますが、そういう事も多々あったのでしょう。
最近ではイオンに対するビール卸の不当廉売が問題になりました。
イオンが他の小売店よりも安い卸価格で仕入れているというやつです。
イオンには行かないのでわかりませんが、実際にイオンは周辺の小売店よりもビールや発泡酒が安いそうです。
中小の小売店ではビールはまるで利益にならず、1本で数円あればいいほうで1円を切ることもあるけれど、客寄せのためには無くてはならないものなので置いているそうです。
さらに酒類卸は赤字が一般的で、他のものと併せて卸すことでようやく利益を確保している常態です。
イオンは卸に圧力をかけ、安く納品させ周辺の小売店よりも安く売り、客を集める。

イオンに不当廉売、窮地に立つビール卸
納入価格は不当廉売? 公取委の警告にイオンが猛反発

こういった事が起きないようにするために「消費税還元セール」を禁止するというわけです。
私は法律でそこまでする事かなぁと思ったりするので、この法案に批判する気持ちはわからないでもありません。
ただ、報道で批判をしている人たちを見るとあれって感じです。

「消費税還元」を掲げた値引きセールを禁止する特別措置法案が12日、国会で審議入りした。小売り各社のトップからはこの法案に対し「とんでもないことだ」(イオンの岡田元也社長)などと批判が続出している。

「政府の考え方に沿って、還元セールではなく普通のセールで対応したい」(セブン&アイ・ホールディングスの村田紀敏社長)といった穏当な声もあるが、反発は広がりを見せる。

ダイエーの桑原道夫社長は12日の決算発表の席で「価格は自由競争であるべきだ」と疑問を呈した。

ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は「(政府が)法律を作って何かするということ自体が理解できない。それで先進国かなと思う」と痛烈に批判した。
小売り各社のトップ怒る 消費税増税で還元セール禁止法案に批判続出

色々と見たのですが、批判する経営トップはイオンとユニクロばかり。ちょろっとダイエーが出てくるくらいです。
セブン&アイホールディングスはこの3社と比べると寛容というか、受け入れるような感じです。
イオンとユニクロが批判しているので、逆にこの法案はいいのかなぁと思ったりしてしまいます。

2013年4月2日火曜日

教育のための贈与を非課税に

祖父母が孫への生前贈与として、教育関連に使われる分を非課税とする制度がはじまります。
信託銀行に孫名義で口座を作り、そこに上限は1500万円まで入れられ、孫が30歳になった時に残っていた分は課税されるそうです。
使い道は教育関連のみで、学校の授業料の他に、塾や習い事などでもいいそうです。

孫に教育資金 1500万円まで非課税
孫の教育資金1500万円を非課税とする新制度が開始

なかなか面白い試みではあると思います。
年寄り若い世代にお金を回すことで、お金の動きができ、消費につながることが期待できるのでしょう。
遺産に対して相続税がかかるようにして生前贈与を進める、なんて話もあります。
遺産相続は一人2000万円までは非課税だったと思うので、この1500万円と合わせると3500万円までは贈与税、相続税を免れることが出来ることになります。

一方で問題点は経済格差が教育の格差に繋がることでしょう。

少し前に話題になった東大生の家庭は収入が多いという調査結果。
収入が多いから、その分優れた教育を受けることが出来たのか、収入が高い家庭は教育に熱心だったり、親が子供に勉強を教えるのが上手かったり、子供への関心が高い、などの理由もあるでしょう。
東京大学が在校生の家庭状況を調査した「2010年学生生活実態調査の結果」(2011年12月発行)によれば、世帯年収950万円以上の家庭が51.8%に上った。ちなみに、厚生労働省発表では世帯平均年収は約550万円。東大生の半分が、日本の平均世帯年収の約2倍、もしくはそれ以上を稼ぐ家庭の子どもということになる。
東大生の親の年収 950万円以上が51.8% 教育格差は中学受験から始まる?

この記事では東大生よりも難関大学生の方が早くから塾へ通っていると指摘しています。
となると、東大生よりも難関大学生の家庭の方が収入が多いのかもしれません。
これはわかりませんが、小さい時から塾へ通うというのはお金がかかる事は間違いありません。

東大生と早大・慶應・一橋を含む主要難関大学生との塾通いを開始した時期を調べると、「小学4年生:東大生(36.1%)/難関大生(43.2%)」の入塾が一番多かったが、注目したいのは小学4年生以外の東大生と難関大生の入塾時期の差。東大生は「小学5年生春(24.3%)」「小学6年生春(13.2%)」と比較的遅めの入塾者が多いのに対し、難関大生は「小学2年生(4.8%)」と、早くから入塾した人が目立った。つまり、東大生は最初から塾に通わず、ある程度独学で勉強していた傾向が伺える。
東大生の親の年収 950万円以上が51.8% 教育格差は中学受験から始まる?

一方で奨学金の返済に困る人も増えているとのこと。
生活苦で学生時代に借りた奨学金の返済に困っている若者が増えているとして、日本弁護士連合会は2013年2月1日、奨学金の返済問題に関する電話相談を全国一斉に実施する。各都道府県の弁護士会が窓口となり、場合によっては債務整理の方法などを紹介する。
貸与型の奨学金を利用する学生の数は年々増えており、奨学金事業を実施している日本学生支援機構のデータでは、この10年間で87万人から134万人へと1.5倍にふくらんでいる。
しかも無利子の貸与ではなく、有利子の奨学金を利用する学生が増えており、「奨学金が教育ローン化してしまっている」との指摘もあるようだ。
「奨学金」を返せない若者が増加、日弁連が「全国電話相談」を実施へ
私も育英会に奨学金を返していますが、1万円ちょっとの奨学金が返せないというのはかなり大変な状況でしょう。
大学へ行っても借金だけ残るというのは

孫のために1500万円をポンと信託銀行に預けるとなると誰にでも出来ることではありません。
ジジババが持っているお金を動かすことは悪くないことだと思いますが、格差が広がることは結果として富裕層の貯蓄が増えて消費に回るお金が減ってしまうことになりかねません。
かと言って、上の人が下の人に合わせることもできないでしょう。
難しいものです。